イラガ毒棘-結膜異物
今年は、昨年よりもこの時期の毛虫(チャドクガ、ヒロヘリアオイラガ、アメリカシロヒトリ)が多いのではないでしょうか。自宅近くの公園の管理人さんが困っていました。
これらの毛虫の幼虫がみられるのは年2回で、8~9月(2化期)にも発生します。
チャドクガによる毛虫皮膚炎はよく知られていますが、イラガの毒棘が(死んだ幼虫からは多数)風で運ばれたり、庭木の手入れ中に落下して目に入ると、まばたきした後、眼瞼結膜(まぶたの裏側・眼球側)に刺さることがあります。
ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/hiroheri-aoiraga.html
結膜異物の症状を来たします。毒棘 caterpillar spicule(s)は生体顕微鏡(細隙灯)では"睫毛(まつげ)"のように見えますが、肉眼では発見困難です。
9月9日の休日当番医では、続けて2名の患者さんが来院しました。上まぶたの眼瞼結膜に刺さっていました。
因みに、アメリカシロヒトリだけは人体に無害で、刺されたり皮膚炎を起こす心配はありません。
http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/midobana/gaicyuuboujyo/index.html
[引用文献]
http://sciencelinks.jp/j-east/article/200010/000020001000A0057427.php
Title;Ocular lesions caused by caterpillar spicules.
Author;MATSUBARA MINORU(Matsubaragankaiin)
Journal Title;Japanese Review of Clinical Ophthalmology
VOL.93;NO.12;PAGE.1695-1701(1999)
Ping送信元: 石川県石川郡ののいち町新庄5丁目106 やまむら眼科医院
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