国際疾病分類 ICD-10と日本語病名
診断名「かぜです」 「ものもらいです」などと不正確な病名や俗称であったり、その原因について「アデノウイルスです」 「細菌感染です」などと(告知可能であるにもかかわらず) 主治医が詳しく説明しないと、患者はインターネット上の情報入手が困難となります。俗称や"譬え"のキーワード検索を行っても得られる情報は良質ではないでしょう。
ほとんどすべての日本語病名は下記とおり、すでに「WHO 国際疾病分類」に従って分類されており、検索も容易です。
診察時に可能なかぎり「病名」をお尋ねになって下さい。
標準病名マスター作業班
» http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/
ICD-10 [WHO 国際疾病分類第10版]
» http://www.who.int/classifications/icd/en/
ICD-10 ONLINE current version (オンライン最新版)
» http://www3.who.int/icd/vol1htm2003/fr-icd.htm
(例) H00.1 霰粒腫 (さんりゅうしゅ) H40.0 緑内障の疑い 高眼圧症, 視神経乳頭陥凹など H53.1 自覚的視覚障害 閃輝暗点など H43.8 硝子体のその他の障害 飛蚊症など H35.3 黄斑および後極の変性 加齢性, 近視性黄斑変性症など
たとえば、飛蚊症(ひぶんしょう)とよばれる眼症状は、
WHO 国際疾病分類第10版 ![]()
International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems 10th Revision Version for 2003
疾病および関連保健問題の国際統計分類第10回改訂2003年版
では、「H43.8 硝子体のその他の障害」と分類されます。ICDコードは "H43.8"です。硝子体(しょうしたい)の病気による症状の1つであることが理解できます。他に、視神経乳頭陥凹(ししんけいにゅうとうかんおう)や閃輝暗点(せんきあんてん)の語義についても、その分類名(ICDコード)から医療関係者でない方であっても、ある程度推測できるのではないかと思います。また、同じICDコードに含まれる日本語病名も参考となります。
ICDコード H00.1 霰粒腫 (さんりゅうしゅ)がありふれた病気であることも理解できます。医師が病気説明のために、俗称「ものもらい」や譬え"にきびのようなもの"などを使用すると、素人は病名と誤解し、医療・医学情報の検索が不可能となります。診断名(病名)「霰粒腫」と医療機関にて正しく告知されるだけで、患者はインターネット上の有益な情報を簡単に入手することが可能となります。
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