epidemiological interference – RSV – influenza virus
インフルエンザ 大阪猛威の謎
http://www.sankei-kansai.com/2008/11/15/20081115-003774.html
段落コピー 2008-11-15記事
「大阪府内で、インフルエンザが例年より2カ月も早く猛威をふるっている。すでに学級閉鎖が相次ぎ、国立感染症研究所感染症情報センターによると、府内の患者数は今月2日現在、全国総数の4割を超える214人。台風が今季一度も本州に上陸せず、空気が乾燥していることが原因との指摘もあるが、なぜ大阪だけ際立って多いのかは謎のままだ。今後、大阪での流行が周辺に広まる可能性もあり、専門家は警戒を呼びかけている。」
この記事の「・・・なぜ大阪だけ際立って多いのかは謎のままだ・・・」などをコピペしたホームページやブログが蔓延しています。
国立感染症研究所感染症情報センターの担当者が「謎」というコメントをしたのではないと思いますが、誤解を生むような文章です。たしかに"原因不明"ですが、「今年は上陸台風がなく乾燥」説は「例年に比べて特に湿度は低いことがない」で否定的と思います。
http://webnews.asahi.co.jp/you/special/2008/u20081201.html
現在、RSウイルス感染症も同地域などで流行しています。
以下は、インフルエンザウイルスとRSウイルスの "epidemiological interference"に関する情報です。
両ウイルスの流行ピークが同時期にならないという疫学結果と実験成績ですが、多くの論文により証明されているものではありません。
(1) 兵庫県津名郡では、3シーズン中2シーズンで確認できた。
three successive winter seasons での流行ピークの動向
1999-2000:RSV-LRTI => FLU-URTI
2000-2001:RSV-LRTI => FLU-URTI ↑& RSV-LRTI ↓=> FLU-URTI ↓& RSV-LRTI ↑
2001-2002:RSV-LRTI => FLU-URTI ↑& RSV-LRTI ↓=> FLU-URTI ↓& RSV-LRTI ↑
Pediatr Int. 2005 Aug;47(4):412-6.
The clinical features of respiratory syncytial virus: lower respiratory tract infection after upper respiratory tract infection due to influenza virus.
Nishimura N, Nishio H, Lee MJ, Uemura K.
Uemura Pediatrics and Internal Medicine Clinic, Kobe, Japan.
(2) In Vitroでは、
Although RSV grew in MDCK cells, coinfection with influenza A virus led to a reduction of progeny RSV.
ウイルス感染細胞を用いて、インフルエンザウイルス、RSウイルスの感染時期により、それぞれの子孫ウイルス産生の抑制を実験的に確認したものです。
Acta Virol. 2000 Apr;44(2):91-7.
In vitro growth profiles of respiratory syncytial virus in the presence of influenza virus.
Shinjoh M, Omoe K, Saito N, Matsuo N, Nerome K.
Department of Virology I, National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan.
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