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rabies – 日本など極東アジアにおけるヒト狂犬病

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2006年のヒト狂犬病に関する情報データが下記論文に収録されなかったようですので、記事、論文要約を併記します。

2006年11月、36年ぶりにヒト狂犬病(2例)が発生しました。
京都市(60才代、男性)と横浜市(65才、男性)。ともにフィリピンで犬にかまれ発症。
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kikou/200612/502130.html
「日本国内では、ヒトでは1954年、動物では1957年を最後に狂犬病の発生はなく、今回の2件の輸入感染症例も1970年以来、36年ぶり。」
京都市の症例は、恐水症状、恐風症状を来たすも、本人はフィリピン滞在時の動物接触を否定したため、診断が遅れた。後に、同行者から接触情報が得られた。脳炎発症後には問診だけでは正確な情報とならない可能性がある旨、下記のホームページ本文内に記載あり。

[関連情報ページ]
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200704/502986.html
 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/200611/501961.html

Dev Biol (Basel). 2008;131:55-61.
The rabies situation in Far East Asia.
Fu ZF.
Department of Pathology, University of Georgia, Athens, GA 30606, USA.
[要約の邦訳]
極東アジアにおける狂犬病 rabies の疫学調査を行った。国際獣疫事務局 OIE から極東アジア諸国へアンケート調査書を発送し、8件の回答があった。回答結果のほかに最新の刊行物などにより、これらの国々のデータを収集した。
2006年では、29,000人超の死亡者が報告された。狂犬病による世界中のヒトの死亡例の半数を超えていた。
同年の報告では数カ国または地域(日本, シンガポール, 韓国, マレーシア, 香港, 台湾 Japan, Singapore, South Korea, Malaysia, Hong Kong, Taiwan)のみヒト狂犬病の報告例がなかった。
狂犬病が風土病として流行している国の多くでは、この10年間ヒト狂犬病患者の数に大きな変化はなかった。着実に減少している国は唯一、タイ国で年間の症例数は200人から20人に減少した。
最も劇的な変化は中国で観察された。1980年代の年間5,000人程度から1990年代半ばに約 160人までヒト狂犬病患者は減少した。しかし、その後この傾向は逆転した。過去10年以上着実に増加し、2006年の報告では3,200人を超えた。
これらの国々で狂犬病が流行する要因は数多くあるが、唯一最重要の因子は飼い犬に免疫がなく、狂犬病がヒトに伝染することである。
犬のワクチン接種は、多くの国々で 5%以下であり、犬から犬、犬からヒトへの狂犬病伝染を防止できない。極東アジアでのヒト狂犬病発生をストップするためには、これらの国で犬に対する集団予防接種キャンペーンを開始することが最も重要である。
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Written by medqa

2008/08/14 at 16:16

カテゴリー: ご注意下さい

日本におけるMMRワクチン接種中止の理由

MMRワクチン:乾燥弱毒生麻しん(M)おたふくかぜ(M)風しん(R)混合ワクチン

Pediatr Infect Dis J. 1991 Mar;10(3):209-13.
Aseptic meningitis as a complication of mumps vaccination.
Sugiura A, Yamada A.
Department of Measles Virus, National Institute of Health, Tokyo, Japan.
[要約の意訳]
MMR 3価(3種混合)ワクチンに含まれていた「おたふくかぜワクチン Urabe Am9株」が原因で、日本国内ではワクチン接種者 630,157人中、少なくとも 311人が本ワクチンに関連した髄膜炎を発症した。患者311人のうち96人の脳脊髄液からワクチン由来のおたふくかぜウイルスが検出された。
非常に高い頻度となったのは、調査中にこの問題に反対のマスコミに騒がれたことも一部あるかもしれない。
ワクチン導入後1年間の臨床像を解析したところ、MMRに関連した髄膜炎患者(165例)は単価おたふくかぜワクチン Urabe Am9株接種後の髄膜炎発症患者(27例)と同様の発生頻度であった。ワクチンに関連した髄膜炎は、一般的に軽症で後遺症は発生しなかった。合併症は女児より男児に多かった(1989年の全国調査結果. 国立感染症研究所発表)。

1989年から数年の間に、おたふくかぜワクチン Urabe Am9株が無菌性髄膜炎の原因であることは、数カ国の研究者らによるヌクレオチド(ジデオキシヌクレオチド) 配列解析などにより遺伝子学的に確認されました。しかし、その後日本は欧米とは異なる予防接種政策を決定します。
1993年、MMRワクチン接種中止
1994年、予防接種法一部改正。義務接種から努力義務接種、集団接種から個別接種。

一方、[麻疹・風疹混合ワクチン – Wikipediaより] 海外では105ヶ国でMMRワクチンの定期接種(2004年現在)が行われています。イギリスなどはMMRに含まれるワクチン株をUrabe Am9株からJeryl Lynn株に変更して接種を継続しています。
米国は1989年からMMRワクチン2回接種、豪州は1994年からbooster shotの方法で、麻疹については、ほとんど根絶しました。
フランスなどでは、おたふく風邪ワクチンとしてUrabe Am9株を継続使用しているようです。
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/txt/s0304-4.txt
「Jeryl Lynnというのが広く使われている株です。それは大体100万人に1人ぐらいしか髄膜炎を起こしません。ただ、Jeryl Lynnの場合は、抗体の陽転率が日本の株に比べて低いということは言われています。ですから、Jeryl Lynnをやる以上は少なくとも2回やらないと確実に流行のコントロールは難しいでしょう。
 そこで、抗体獲得率が低いということで、フランスのアベンティスはUrabe AM9を使っています。フランスのUrabe AM9のデータですと、大体6万分の1というのが髄膜炎の発症率です。ですから、Jeryl Lynnに比べて高いですけれども抗体陽転率がいいし、下 略」

MMRワクチン後の髄膜炎など詳しい被害状況は下記ページを参照して下さい。
MMRワクチン接種による被害発生の原因究明に関する質問主意書
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a154190.htm
衆議院議員阿部知子君提出MMRワクチン接種による被害発生の原因究明に関する質問に対する答弁書
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b154190.htm
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Written by medqa

2008/08/13 at 00:07

カテゴリー: EBM

他の医療先進国との医学教育格差

with one comment

日本の医学生と研修医は、医療先進国に比べて人数が少ないだけではありません。
たとえば、
ゴードン ノエル先生 Gordon L.Noel, MD は2008年1月の講演会
 http://www.ircme.u-tokyo.ac.jp/workshop_list_2007.html#Noel
にて、
日本の医学生と研修医は(2005年の観察)、
[スライド1枚引用]

・ Motivated to become excellent physicians
  ※ 優秀な医師になりたい意欲がある
   (※注 ブログ投稿者による訳です)
・ Eager to learn 勉強熱心
・ Willing to spend very long hours
  長時間働くことをいとわない
・ Exceptionally flexible 順応性がある
・ Supportive of each other 互いに助け合える

であるが、日本の医学部上級生は、欧米の学生と比較すると臨床経験がはるかに少ないことなど述べています。
[スライド1枚引用]

・ less understanding of pathophysiology 病態生理の理解が少ない
・ less experience with clinical reasoning
  臨床判断の経験が乏しい
・ more limited differential diagnosis
  挙げられる鑑別診断が少ない
・ almost no experience with direct patient management
  直接の患者対応の経験がほとんどない

東京大学医学教育国際協力研究センターの学外客員研究員である
自治医科大学臨床感染症センター 感染症科 准教授 矢野 晴美先生も
ご自身のブログで鋭く指摘しています。
エントリー「日本の初期研修終了後の医師の臨床能力」
Saturday, July 5, 2008, 06:46 PM
 http://www.harumigomi.com/blog/index.php?entry=entry080705-184657
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Written by medqa

2008/08/10 at 17:50

カテゴリー: 医学教育

発展途上国のはしかとビタミンA欠乏症

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世界子供白書2002
 http://www.unicef.or.jp/library/library_pdf.html
予防接種ともうひとつ……
「世界中で1億人近い幼児に影響を及ぼしているビタミンA欠乏症は、開発途上国の子どもを失明させる原因の筆頭である。たとえ欠乏の程度が軽くても、幼児の免疫システムを阻害し、はしか、マラリア、下痢といった、子どもの死因になりやすい病気への抵抗力を弱めてしまう。・・下略・・」

「2005年、はしかが原因による死亡件数は推定34万5,000人(90%は5歳未満の子ども)ですが、その多くは深刻な下痢や肺炎、脳炎を同時に発症し、命を落としています。」
 http://www.unicef.or.jp/j8/g8/pdf/06.pdf

ビタミンA大量投与は2歳未満児の麻疹による死亡リスク軽減/最新のCochrane Reviewsより
Huiming Y, Chaomin W, Meng M. Vitamin A for treating measles in children. Cochrane Database of Systematic Reviews 2005, Issue 4. Art. No.: CD001479. DOI: 10.1002/14651858.CD001479.pub3.
 http://www.cochrane.org/reviews/en/ab001479.html

Two megadoses of vitamin A lowers the risk of death from measles in hospitalized children under the age of two years, but not in all children with measles

結果:変量効果モデルを使いすべての研究を統合したとき、ビタミンA補給グループの死亡リスクは有意に減少しなかった (相対危険度RR 0.70; 95% 信頼区間CI 0.42~1.15)。
200,000 国際単位IU のビタミンA を連日2回補給すると、2歳未満の小児の死亡リスク (相対危険度 0.18; 95% 信頼区間 0.03~0.61) および肺炎に特定した死亡リスク (相対危険度 0.33; 信頼区間 CI 0.08~0.92)は減少した。
ビタミンA 1回補給では麻しんにかかった子供の死亡リスクが減少するとのエビデンスはなかった。2回補給によりクループ croup は減少したが、肺炎や下痢の頻度は有意に減少しなかった。

著者の結論(一部):補給回数1回と2回を直接比較した試験はなかった。

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2008/08/06 at 08:25

カテゴリー: EBM

Rubeola keratitis – 麻疹性角膜炎

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従来から「麻疹角膜炎では表層角膜炎が典型的病像で、一般的には自己限定的 self-limiting 」とされていました。
 http://www.emedicine.com/oph/topic101.htm
2008年5月、ギリシャのアテネ総合陸軍病院眼科から詳しい眼科検査結果が報告されました。健康若年成人のみ対象としていますが、4タイプに分類され、麻しんに特異的と思われる病型も報告されました。全例の経過は良好でした。

一方、麻しんはアジアやアフリカ諸国では今なお子供たちの失明原因として、ビタミンA欠乏症 vitamin A deficiencyとともに主因となっています。およそ140万人が失明している、毎年最大で50万人が新たに失明すると推定されています。多くの子供は失明したあと死亡しているようです。特に、アフリカでは麻しんに関連し、角膜潰瘍を来たし、黒目に混濁(角膜瘢痕)を残すことがよくみられます。

通常、麻疹による角膜炎は、なんら合併症を来たさず治るのに、なぜアジアやアフリカの子供たちの失明原因となっているのか?
Prevention of Childhood Blindness Teaching Set
Author: L. Amparo Hernandez-Duran, S. Kotiankar, M. McGavin, C. Gilbert
Publisher: ICEH [International Centre for Eye Health]
Date: 1998, updated 2007
 http://www.iceh.org.uk/eresources/teachingset_04.asp
に詳しく記載されていますので、ご覧下さい(英文)。
一部抄訳 » http://blog.m3.com/blogosphere/20080803/1

Cornea. 2008 May;27(4):411-6.
 Web Site「CORNEA The Journal of Cornea and External Disease
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18434843
    Rubeola keratitis: a photographic study of corneal lesions.
    Pavlopoulos GP, Giannakos GI, Theodosiadis PG, Moschos MM, Iliakis EK, Theodosiadis GP.
    Department of Ophthalmology, 401 General Army Hospital of Athens, Athens, Greece.
目的:麻疹角膜炎の所見について詳細な記述は、医学書や報文にはありません。略
方法:麻疹角膜炎を来たした若年成人男性17例 34眼を対象として、検査は皮疹発現3.6日後に行った。略
結果:眼症状は、異物感 88%、羞明(まぶしい) 65%、涙流 65%、灼熱感 47%。視力の障害なし 26%、軽度障害あり 71%。合併頻度(眼数)は結膜炎 74%、角膜炎 100%。角膜の撮影画像から、角膜病変を4タイプに分類した:
 ローズベンガル液にのみ染色される小さい点状上皮病変 100%
 小さい円形上皮欠損またはそれらが合体したより大きい不整な上皮欠損 100%
 大きい、または微小の糸状物 39%
 標的(を呈する)病変 target lesion 100% (ローズベンガル液およびフルオレセイン液、両液を点眼したときのみ検出)

 標的(を呈する)病変 target lesion の輪郭はローズベンガル液で染色され、両液で交互に染色される同心円帯で構成されていた。
角膜炎は完全に上皮に限局していた。合併症を来たさず全症例で徐々に病変は消失した。
結論:健康若年成人にみらる麻疹角膜炎は良性の経過である。麻疹角膜炎に特異的な標的病変を認識することで、鑑別診断の助けとなり伝染を予防できるのではないだろうか。

抄訳はここまで

※1 target lesion (麻疹性角膜炎に特徴的な所見
target lesion - Rubeola keratitisサイズ(直径)0.1-0.8mm
2重染色法による病変(イメージ図):ローズベンガル rose Bengal液で外の輪郭(必ず)と中心が赤く染まり、フルオレセイン fluorescein 染色で輪郭の内側が緑色に染色される。”標的"、"的"状を呈する。

※2 麻疹(麻しん)は rubeola または measles です。rubella は風疹(三日ばしか)のことです。米国などでは、今でもMMRワクチン measles-mumps-rubella vaccine [順に、はしか(麻疹)-おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)-風疹]が予防接種に用いられているようですが、日本では、安全面から混合ワクチンは2種混合 MRワクチン measles-rubella vaccine [はしか-風疹]となっています。

   ICD10コード
麻疹性角結膜炎 B058 H192
麻疹性角膜炎 B058 H192

Written by medqa

2008/08/03 at 17:37

カテゴリー: EBM

平成20年8月中旬の診察日

【休日当番医情報 (平成20年8月)】
平成20年 8月10日 (第 2日曜日) 9:00 から 12:00 まで
午前中のみ受付、診療いたします。

【平成19年8月中旬の診察日】
8月13日 (水) 休 診 (午前・午後の終日)
8月14日 (木) 診察時間 9:00~12:30 / 14:00~18:00
8月15日 (金) 診察時間 9:00~12:00午後休診
8月16日 (土) 診察時間 9:00~12:00午後休診
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Written by medqa

2008/07/27 at 07:56

カテゴリー: お知らせ