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Archive for the ‘EBM’ Category

PCV7 – 7価肺炎球菌結合型ワクチン

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石川県内の近隣の自治体においても高齢者肺炎球菌予防接種がスタートしました。

23価非結合多糖体ワクチン(PPV23)から7価結合型ワクチンへの変更が早まるとよいのですが。
いくつかのHPの記事を切り抜きました。

7価の結合型ワクチンなど副作用の少ないものを高齢者では使用できないの?

7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7:7-valent pneumococcal conjugate vaccine )

日本では2007年9月に製造販売承認申請がなされた段階。
米国では2歳までに4回の接種を行うこととなっているが、欧州などでは3回の国もある。米国では2-5歳の感染リスクのある小児に対する接種も推奨されている。
 http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5436a1.htm#tab
 http://www.imic.or.jp/mmwr/backnum/5436.html

米国では2000年から、5歳未満に対し、PCV7の定期接種を実施しているが、これによって年齢を問わない全体の侵襲性肺炎球菌感染症の発症率が年間約3割減少したことがわかった。なかでも、5歳未満の年間発症率は94%減少した。
65歳以上のワクチン型侵襲性肺炎球菌感染症の感染率は、1998~1999年の10万人あたり33.6例から2003年の11.9例へと、顕著に減っている。

 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200509/398249.html
 http://www.m-junkanki.com/diseases/pneumobacks.html#Q4
小児への結合型肺炎球菌ワクチンについて-WHOの見解
(WHO, WER, 82, No.12, 93-104, 2007)
 http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/334/fr3342.html
ヨーロッパ連合でのPCV7の影響評価:優先されるべき理由
Euroserveillance, Volume 12, Issue 6, 2007年6月14日
 http://www.forth.go.jp/official/070621_02.html

 他に日本医事新報2007年12月29日号など

細菌製剤協会
予防接種に関するQ&A集
 http://www.wakutin.or.jp/qanda/mokuji.html
Q 日本では、なぜ肺炎球菌ワクチンの再接種を行うことができないのでしょうか。
A 上略・・・・米国では平成9年(1997)から、高齢者(ただし,64 歳以下で初回接種を受けた65 歳以上の者)や抗体レベルが低下しやすい患者で、初回接種から5年以上(10 歳未満の者については3年以上)経過している場合に再接種ができるようになりました。一方、日本では海外で行われた開発初期の臨床試験で再接種時の副反応(注射部位の局所反応)の増強が観察されたことを懸念し、現在も再接種を行うことができないという設定になっています。

海外で行われた開発初期の臨床試験 ⇒ 今から30年前のデータのようです。
 http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/byouin/junkoc/topics/051228-qa1.html

Written by medqa

2008/11/13 at 22:58

カテゴリー: EBM

gatifloxacin – population-based, nested case-control study

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カナダのオンタリオで66歳以上のおよそ140万人の住民を対象とした2つの population-based, nested case-control studies (地域住民を対象としたネスティド・ケース・コントロール研究)が行われました。nested case-control studyは、よく調査された集団 cohortで経過観察中に outcome を持った case 全てと control 全てを把握している場合に行なうことができるそうです。
2年間(2002年4月から2004年3月)で抗菌薬による外来治療後30日以内に1,258名が血糖値異常のため入院となり、マクロライド系抗菌薬と比較して(下記文献より)、

・・・ [ガチフロキサシン] gatifloxacin was associated with an increased risk of [低血糖] hypoglycemia (adjusted odds ratio, 4.3; 95 percent confidence interval, 2.9 to 6.3). Levofloxacin was also associated with a slightly increased risk (adjusted odds ratio, 1.5; 95 percent confidence interval, 1.2 to 2.0), ・・・
・・・ gatifloxacin was associated with a considerably increased risk of [高血糖] hyperglycemia (adjusted odds ratio, 16.7; 95 percent confidence interval, 10.4 to 26.8), but no risk was noted with the other antibiotics.
Risks were similar in the two studies regardless of the presence or absence of diabetes. ・・・

でした。
研究デザインの集団とは、下気道感染症の治療のために、しばしば広域スペクトラムの抗菌薬を処方されているオンタリオの66歳以上の外来患者です。
データベースとして、Ontario Health Insurance Plan database 健康保険制度データベース が利用されました。

さて、国内では、ガチフロキサシン(商品名:ガチフロ錠)は、2008年9月30日をもって自主的に販売中止となりました。米国では、2006年6月に商業的な理由から同薬の販売が終了したそうです。
カナダの研究報告の公表から2年余りが経っています。米国では3ヶ月後の販売終了です。

 http://content.nejm.org/cgi/content/full/354/13/1352
The New England Journal of Medicine
Volume 354:1352-1361 March 30, 2006 Number 13
Outpatient Gatifloxacin Therapy and Dysglycemia in Older Adults
Laura Y. Park-Wyllie, Pharm.D., David N. Juurlink, M.D., Ph.D., Alexander Kopp, B.A., Baiju R. Shah, M.D., Ph.D., Therese A. Stukel, Ph.D., Carmine Stumpo, Pharm.D., Linda Dresser, Pharm.D., Donald E. Low, M.D., and Muhammad M. Mamdani, Pharm.D., M.P.H.

Nested case-control study、オッズ比 Odds ratio(OR), adjusted OR
については、下記ページを参照して下さい。
参照ページ
EBMと生涯学習の広場 The SPELL : The Square of Practicing EBM and Lifelong Learning
 http://spell.umin.jp/
EBM資料集 [The SPELL]
 「害(症例対照研究)はじめてケースコントロールシート」BTS_CCS2.4.pdf
の中に コホート内症例対照研究 Nested case-control study についての専門的な記載があります。
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Written by medqa

2008/10/07 at 11:47

カテゴリー: EBM

日本におけるMMRワクチン接種中止の理由

MMRワクチン:乾燥弱毒生麻しん(M)おたふくかぜ(M)風しん(R)混合ワクチン

Pediatr Infect Dis J. 1991 Mar;10(3):209-13.
Aseptic meningitis as a complication of mumps vaccination.
Sugiura A, Yamada A.
Department of Measles Virus, National Institute of Health, Tokyo, Japan.
[要約の意訳]
MMR 3価(3種混合)ワクチンに含まれていた「おたふくかぜワクチン Urabe Am9株」が原因で、日本国内ではワクチン接種者 630,157人中、少なくとも 311人が本ワクチンに関連した髄膜炎を発症した。患者311人のうち96人の脳脊髄液からワクチン由来のおたふくかぜウイルスが検出された。
非常に高い頻度となったのは、調査中にこの問題に反対のマスコミに騒がれたことも一部あるかもしれない。
ワクチン導入後1年間の臨床像を解析したところ、MMRに関連した髄膜炎患者(165例)は単価おたふくかぜワクチン Urabe Am9株接種後の髄膜炎発症患者(27例)と同様の発生頻度であった。ワクチンに関連した髄膜炎は、一般的に軽症で後遺症は発生しなかった。合併症は女児より男児に多かった(1989年の全国調査結果. 国立感染症研究所発表)。

1989年から数年の間に、おたふくかぜワクチン Urabe Am9株が無菌性髄膜炎の原因であることは、数カ国の研究者らによるヌクレオチド(ジデオキシヌクレオチド) 配列解析などにより遺伝子学的に確認されました。しかし、その後日本は欧米とは異なる予防接種政策を決定します。
1993年、MMRワクチン接種中止
1994年、予防接種法一部改正。義務接種から努力義務接種、集団接種から個別接種。

一方、[麻疹・風疹混合ワクチン – Wikipediaより] 海外では105ヶ国でMMRワクチンの定期接種(2004年現在)が行われています。イギリスなどはMMRに含まれるワクチン株をUrabe Am9株からJeryl Lynn株に変更して接種を継続しています。
米国は1989年からMMRワクチン2回接種、豪州は1994年からbooster shotの方法で、麻疹については、ほとんど根絶しました。
フランスなどでは、おたふく風邪ワクチンとしてUrabe Am9株を継続使用しているようです。
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/03/txt/s0304-4.txt
「Jeryl Lynnというのが広く使われている株です。それは大体100万人に1人ぐらいしか髄膜炎を起こしません。ただ、Jeryl Lynnの場合は、抗体の陽転率が日本の株に比べて低いということは言われています。ですから、Jeryl Lynnをやる以上は少なくとも2回やらないと確実に流行のコントロールは難しいでしょう。
 そこで、抗体獲得率が低いということで、フランスのアベンティスはUrabe AM9を使っています。フランスのUrabe AM9のデータですと、大体6万分の1というのが髄膜炎の発症率です。ですから、Jeryl Lynnに比べて高いですけれども抗体陽転率がいいし、下 略」

MMRワクチン後の髄膜炎など詳しい被害状況は下記ページを参照して下さい。
MMRワクチン接種による被害発生の原因究明に関する質問主意書
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a154190.htm
衆議院議員阿部知子君提出MMRワクチン接種による被害発生の原因究明に関する質問に対する答弁書
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b154190.htm
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Written by medqa

2008/08/13 at 00:07

カテゴリー: EBM

発展途上国のはしかとビタミンA欠乏症

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世界子供白書2002
 http://www.unicef.or.jp/library/library_pdf.html
予防接種ともうひとつ……
「世界中で1億人近い幼児に影響を及ぼしているビタミンA欠乏症は、開発途上国の子どもを失明させる原因の筆頭である。たとえ欠乏の程度が軽くても、幼児の免疫システムを阻害し、はしか、マラリア、下痢といった、子どもの死因になりやすい病気への抵抗力を弱めてしまう。・・下略・・」

「2005年、はしかが原因による死亡件数は推定34万5,000人(90%は5歳未満の子ども)ですが、その多くは深刻な下痢や肺炎、脳炎を同時に発症し、命を落としています。」
 http://www.unicef.or.jp/j8/g8/pdf/06.pdf

ビタミンA大量投与は2歳未満児の麻疹による死亡リスク軽減/最新のCochrane Reviewsより
Huiming Y, Chaomin W, Meng M. Vitamin A for treating measles in children. Cochrane Database of Systematic Reviews 2005, Issue 4. Art. No.: CD001479. DOI: 10.1002/14651858.CD001479.pub3.
 http://www.cochrane.org/reviews/en/ab001479.html

Two megadoses of vitamin A lowers the risk of death from measles in hospitalized children under the age of two years, but not in all children with measles

結果:変量効果モデルを使いすべての研究を統合したとき、ビタミンA補給グループの死亡リスクは有意に減少しなかった (相対危険度RR 0.70; 95% 信頼区間CI 0.42~1.15)。
200,000 国際単位IU のビタミンA を連日2回補給すると、2歳未満の小児の死亡リスク (相対危険度 0.18; 95% 信頼区間 0.03~0.61) および肺炎に特定した死亡リスク (相対危険度 0.33; 信頼区間 CI 0.08~0.92)は減少した。
ビタミンA 1回補給では麻しんにかかった子供の死亡リスクが減少するとのエビデンスはなかった。2回補給によりクループ croup は減少したが、肺炎や下痢の頻度は有意に減少しなかった。

著者の結論(一部):補給回数1回と2回を直接比較した試験はなかった。

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2008/08/06 at 08:25

カテゴリー: EBM

Rubeola keratitis – 麻疹性角膜炎

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従来から「麻疹角膜炎では表層角膜炎が典型的病像で、一般的には自己限定的 self-limiting 」とされていました。
 http://www.emedicine.com/oph/topic101.htm
2008年5月、ギリシャのアテネ総合陸軍病院眼科から詳しい眼科検査結果が報告されました。健康若年成人のみ対象としていますが、4タイプに分類され、麻しんに特異的と思われる病型も報告されました。全例の経過は良好でした。

一方、麻しんはアジアやアフリカ諸国では今なお子供たちの失明原因として、ビタミンA欠乏症 vitamin A deficiencyとともに主因となっています。およそ140万人が失明している、毎年最大で50万人が新たに失明すると推定されています。多くの子供は失明したあと死亡しているようです。特に、アフリカでは麻しんに関連し、角膜潰瘍を来たし、黒目に混濁(角膜瘢痕)を残すことがよくみられます。

通常、麻疹による角膜炎は、なんら合併症を来たさず治るのに、なぜアジアやアフリカの子供たちの失明原因となっているのか?
Prevention of Childhood Blindness Teaching Set
Author: L. Amparo Hernandez-Duran, S. Kotiankar, M. McGavin, C. Gilbert
Publisher: ICEH [International Centre for Eye Health]
Date: 1998, updated 2007
 http://www.iceh.org.uk/eresources/teachingset_04.asp
に詳しく記載されていますので、ご覧下さい(英文)。
一部抄訳 » http://blog.m3.com/blogosphere/20080803/1

Cornea. 2008 May;27(4):411-6.
 Web Site「CORNEA The Journal of Cornea and External Disease
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18434843
    Rubeola keratitis: a photographic study of corneal lesions.
    Pavlopoulos GP, Giannakos GI, Theodosiadis PG, Moschos MM, Iliakis EK, Theodosiadis GP.
    Department of Ophthalmology, 401 General Army Hospital of Athens, Athens, Greece.
目的:麻疹角膜炎の所見について詳細な記述は、医学書や報文にはありません。略
方法:麻疹角膜炎を来たした若年成人男性17例 34眼を対象として、検査は皮疹発現3.6日後に行った。略
結果:眼症状は、異物感 88%、羞明(まぶしい) 65%、涙流 65%、灼熱感 47%。視力の障害なし 26%、軽度障害あり 71%。合併頻度(眼数)は結膜炎 74%、角膜炎 100%。角膜の撮影画像から、角膜病変を4タイプに分類した:
 ローズベンガル液にのみ染色される小さい点状上皮病変 100%
 小さい円形上皮欠損またはそれらが合体したより大きい不整な上皮欠損 100%
 大きい、または微小の糸状物 39%
 標的(を呈する)病変 target lesion 100% (ローズベンガル液およびフルオレセイン液、両液を点眼したときのみ検出)

 標的(を呈する)病変 target lesion の輪郭はローズベンガル液で染色され、両液で交互に染色される同心円帯で構成されていた。
角膜炎は完全に上皮に限局していた。合併症を来たさず全症例で徐々に病変は消失した。
結論:健康若年成人にみらる麻疹角膜炎は良性の経過である。麻疹角膜炎に特異的な標的病変を認識することで、鑑別診断の助けとなり伝染を予防できるのではないだろうか。

抄訳はここまで

※1 target lesion (麻疹性角膜炎に特徴的な所見
target lesion - Rubeola keratitisサイズ(直径)0.1-0.8mm
2重染色法による病変(イメージ図):ローズベンガル rose Bengal液で外の輪郭(必ず)と中心が赤く染まり、フルオレセイン fluorescein 染色で輪郭の内側が緑色に染色される。”標的"、"的"状を呈する。

※2 麻疹(麻しん)は rubeola または measles です。rubella は風疹(三日ばしか)のことです。米国などでは、今でもMMRワクチン measles-mumps-rubella vaccine [順に、はしか(麻疹)-おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)-風疹]が予防接種に用いられているようですが、日本では、安全面から混合ワクチンは2種混合 MRワクチン measles-rubella vaccine [はしか-風疹]となっています。

   ICD10コード
麻疹性角結膜炎 B058 H192
麻疹性角膜炎 B058 H192

Written by medqa

2008/08/03 at 17:37

カテゴリー: EBM

日本人のHapMap ハプロタイプ地図

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ヒトゲノム・遺伝子データベースとなる HapMap (Haplotype Map ハプロタイプ地図)を調査するプロジェクト第一相が完了しました。これから、病気の原因解明や治療法の開発がスピードアップします。
HapMapプロジェクト第一相 first phase of the HapMap Project の結果は、2005年10月27日付の英科学誌「ネイチャー」に発表されました。
 » http://www.nature.com/nature/journal/v437/n7063/index.html
Vol 437|27 October 2005|doi:10.1038/nature04226
ヒトゲノムのハプロタイプ地図 [PDFファイル(1,269K)]
A haplotype map of the human genome
The International HapMap Consortium
また、Yahoo サイト
日本 » http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051027-00000201-yom-soci
HealthDay ニュース:
  HapMap Could Yield Genetic Clues to Many Diseases
 » http://health.yahoo.com/news/125819

The 269 DNA samples came from whites living in Utah, people from the Yoruba tribe in Nigeria, Japanese people in Tokyo, and the Han Chinese in Beijing, Donnelly said. “The project looked at the genetic type at about 1 million different places in the human genome,” he said. The next phase of the project will look at another 2 million positions.

のように、東京在住の日本人のDNAサンプルも研究チームにより解析が行われ、日本人の個体差に関係する SNPs (SNP 一塩基変異多型 single nucleotide polymorphisms)の一部の HapMap所在地がわかったようです。
Ping送信元: 石川県石川郡野々市町新庄5丁目 5-106

Written by medqa

2005/10/27 at 14:35

カテゴリー: EBM